「すずも生きた呉の町 旧澤原家住宅特別見学」に参加してきました

2017年2月18日、広島県呉市にある重要文化財「旧澤原家住宅」の特別公開に行ってきました。

この日行われた特別公開は「すずも生きた呉の町 旧澤原家住宅特別見学」。
呉が舞台になっている映画「この世界の片隅に」で旧澤原家住宅の特徴的な建物である「三ツ蔵」が映っており、
物語の主人公である「すずさん」が何度も通った場所となっています。

※旧澤原家内部は撮影禁止の場所が殆どだったため、内部の様子が分かる写真は撮っていません。

旧澤原家住宅とは

元々は酒造業を営んでいた澤原家の建物であり、藩主の休憩所や初代呉鎮守府司令長官官舎としても利用されていました。
呉空襲など戦争の被害も逃れ、当時の面影を残している貴重な文化財となっています。

集合から見学開始まで

まずは胡町公園に集合して受付を済ませます。
呉の観光ボランティアの方も大勢おられました。
参加者の平均年齢は高め。中には昭和9年生まれという方も。
広島県内からの参加者が多かったみたいです。

受付所には「この世界の片隅に」の原作漫画や呉の観光ガイドマップなどが置いてありました。

受付を済ませたらこの世界の片隅にで三ツ蔵が映っているシーンが印刷された札を首から下げて旧澤原家の特別公開へ出発です。

見学ルートはこんな感じです。

三ツ蔵

最初に見学したのは三ツ蔵。
映画ですずさんが何度も通っていた道！

今回の特別公開に合わせて「この世界の片隅に」で三ツ蔵が映っているシーンのパネルが用意されていました。

三ツ蔵の解説に聞き入る参加者。

今回の特別公開では普段は中に入れないという三ツ蔵の中にも入ることが出来ました。
蔵は上蔵、中蔵、下蔵と3つの蔵からなっています。
それぞれの蔵は独立しており、一つだけ蔵の扉が神社の鳥居に似た雰囲気になっていました。
おそらく他の蔵では米などを、この特別な扉の蔵には家財道具などを入れていたのだろう、との事。
また、蔵には大きなうちわが幾つも掛かっていたそうですが、終戦後に持って行かれてしまっため今は無いそうです。

旧澤原家住宅内部

そして住宅内部へ。

入ってすぐの客間では映画「この世界の片隅に」の予告映像がスクリーンに映し出されていました。
住宅内部はとても広く、しっかりした造りになっていました。
少し進むと屋内にも蔵があり、神社の鳥居のような形をした扉をしていました。

そして普段に一般公開では見られないという台所付近の見学へ。

台所には昔ながらのかまどや上に氷を入れて冷やす冷蔵庫、井戸などがあります。
そして壁にはすずさんが料理をしているシーンのパネルが大きく飾られていました。
かまどをみた参加者の方からは「こんなのあったねぇ」とか当時を懐かしむ声も上がっていました。
そして台所から見える庭の木のそばにはすずさんの立ち姿が写ったパネルも。
これは特に解説されなかったので気付かなかった人も居るんじゃないでしょうか…

台所の見学が終わった後は庭に出て、呉の町を見渡します。
塀には昭和20年頃の呉の町並みの写真などが並べてありました。
当時はどんな通りだったのか、朝日遊郭はどの辺りにあったのか、等の解説が現在の町並みと見比べながら行われました。

呉に軍港が出来てからの変容が激しかった事が実際の風景と当時の写真や地図を見比べながらだと身に沁みて分かりますね。

そして江戸時代はお殿様が休んでいたという座敷に上がって澤原家についての解説。

この世界の片隅にのポスターやが町並みを中心の絵コンテ展示されていました。

住宅から退出する時はお殿様が通っていた門の横に有る扉を通って公園に戻ります。

澤原家前の通りは長ノ木街道と呼ばれていたそうです。

見学記念証明書。

特別公開を終えて

「この世界の片隅に」関連のイラストや資料が各所に配置されており、
見学者を楽しませようとする工夫が随所に見て取れました。

今回の特別公開は県内外から応募者が殺到していたり、テレビ局や新聞社の方も複数取材に来ておられたりと
「この世界の片隅に」の盛り上がりっぷりと体感。

すずさんが通った町並み、眺めていた景色、色んな当時の風景に思いを馳せる事が出来た時間でした。

映画「この世界の片隅に」を観た方は是非呉に行って、
すずさんが生きてきた呉の街を肌で感じて欲しいです。

映画と絡めての特別公開は普段の一般公開では体験できない貴重な機会だし、
今回だけでなく是非2回目、3回目と続いて欲しい企画だと思います。

この世界の片隅に 劇場アニメ絵コンテ集
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